ある日、主人公・獅堂勇一(しどうゆういち)は、
自分の人型家庭用ゲーム機(コンシューマードール)「ユキコ」を改造しようとして、誤って壊してしまう。

修理に出す費用がなかった彼は、家族の留守中に「開かずの間」に忍び込み、押し入れの中から懐かしいものを発見する。
それは、世界初のコンシューマードール。日本ハジマタな、と世界を唸らせた、オタク文化の金字塔である。
名前は"ミコ"。












勇一は試しに電源を入れてみようとするのだが、あるはずの場所にスイッチが見あたらない。
傍らのマニュアルらしきバインダーを見てみると、「ミコ」はなんと、キスで起動するらしい。

ちょっ……おま……世界初はいいけどよ、

一体どんだけ夢詰め込んじゃってるんだよ?


コンシューマードールにそんな起動方法があったなど聞いたこともないと首をかしげる勇一。
しかしそこは、若気の至り、遊び半分で従ってみる。
すると、見事に電源が入り、ミコは十数年ぶりに起動するのだった。


――ぴこっ


「あれ? えっと、私……かゆい……うま?」

「ダメだ、イッちまってる。やっぱりジャンクか……」

「そ、そんなことないよっ! 私壊れてないもんっ!! ちょっと記憶が混乱してるだけで!
勇クンこそリコール? フルモデルチェンジ?
なんだかでっかくておっきい……あいたーッ!? デコピン……デコピ……」


「リコールって失礼な奴だな。しかも機械にあるまじき日本語の無駄遣い。
おまえみたいなのに言われると無性に腹が立つんだよ、この野郎」


「野郎? トラック? デコトラ? 爆走!
そして伝説へッ!!」


「……爆走してんのはおまえの頭だっ!」

「あいたーッ!! ……はっ!
あ、そっか! 人間の子は時間が経てば
こんなふうにおっきくなるんだよね!
久しぶり勇クン、すっかり大人になっちゃってもう!」


「……少しは安定したのかな?
まあ十数年ほったらかしだったし、
再起動で調子が戻るまで多少時間が必要だったのかも」




平凡な日常に起きたちょっとした変化。
だがここから、勇一達をとりまく状況が、僅かずつ変化していく。

果たしてその先にあるものとは?
彼らを待ち受ける運命とは――

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