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低コストを武器に成長を遂げた海外メーカー製品の台頭によって市場を奪われ、
今や主要産業すべてが終わりの見えない氷河期に突入していた近未来の日本……。
唯一競争力を失わずにいた産業が、ゲーム・アニメ・フィギュアを中心とした、
いわゆる「萌え産業」だった。
夢と理想の塊であるそれらの産業は、何を言われようとくじけることなく
世界にどっしり根を張り、オタクを大量生産していたのだ。
気づいてみれば世界中が、
“世界はオタクのために!”
“オタクはオタクのために!”状態。
ここぞとばかりに、「萌えよニッポン!」を
スローガンに掲げ、世界に攻勢をかける日本。
首都を“アキバ”に改名し!
学校教育には“萌え”の時間を取り入れ!
コスプレ万歳! 大人買い上等!
助成金出しますゾ的な大改革!
そんな中、人々の期待を一身に背負って登場したのが、
精巧な人型ロボットだった。
「人型家庭用ゲーム機(コンシューマードール)」と銘打ったその製品は、
何から何まで人間そっくり。
普通は見えないところまでをも精巧に作り込んである。
全世界のオタクが囁いた、
日本ハジマタな、と。
コンシューマードールの普及台数が爆発的に増加していく中、
ユーザー達はコンシューマードール同士を戦わせるという、
「ドールバトル」に熱狂していた。
バーチャルリアリティ空間にあらゆる情報を再現して行なう、健全で安全なこの遊び。
世界中のゲーマー達のハートを、
ガッシリと鷲づかみにしてしまったのだった──
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